こんにちは、しょちょーです。
今日は「開業準備金で車を買うな!」というテーマで話をしていきたいと思います。
これは僕が何度も伝えてきたことですが、開業準備金というのは“できる限り使わない”というのが鉄則です。お金を持っていれば持っているほど、取れる選択肢が増えます。逆に、お金が減れば減るほど、行動の幅はどんどん狭くなっていくんです。
■「消費」「投資」「浪費」を見分ける力が経営センスになる
お金の使い方を考えるときは、まずその支出が「消費」「投資」「浪費」のどれにあたるのかを見極める必要があります。
消費は生きるために必要な出費。食費や家賃、光熱費など、生活を支えるために必要なものです。
投資は支払ったお金以上の価値を将来的に生み出すもの。事業を拡大するための学びや、売上につながるツール、広告費などがそれにあたります。
そして浪費は、自分の満足感を満たすだけのもの。高級な服、最新の家電、見栄えだけのブランド品などです。
この3つのどれにあたるかを意識せずにお金を使ってしまうと、あっという間に開業資金は減っていきます。
■「車を買う」は本当に投資? それとも浪費?
よくあるのが、「訪問だから車は必要でしょ」という考えです。
確かに一見すると“事業のため”に思えますが、実際には多くの場合「浪費」に近い出費です。
車は買った瞬間から価値が下がる資産です。100万円の車を買っても、納車した瞬間に80万円、下手をすると70万円台に評価が落ちます。つまり、買った瞬間にお金が目減りしているんです。これを投資と呼ぶのは無理があります。
もちろん、移動手段としての車は“消費”として必要な場合もありますが、「開業初期に必要か?」と聞かれたら答えはほとんどの場合“NO”です。なぜなら、開業直後はまだ事業が軌道に乗っておらず、売上よりも支出が先行するからです。
■開業資金は「ヒットポイント(HP)」です
例えば、200万円の開業準備金を用意してスタートしたとします。
この200万円が尽きた瞬間、あなたの事業はゲームオーバーです。
ドラクエなら教会に行って復活できますが、現実ではそう簡単に復活できません。
貯金を作るまでまた数年、再挑戦までの時間がかかります。だからこそ、最初にお金を減らさないことが何よりも大事なんです。
開業準備金は「使うため」ではなく、「守るため」にある。この意識を持つだけで、事業の持続率は圧倒的に変わります。
■車を買う前に一度立ち止まって「これは投資?消費?浪費?」と考えてみてください
開業初期に車を買うというのは、HPを半分削ってスタートするようなものです。
仮に200万円あった資金のうち、車で100万円を使ったら、その瞬間に戦闘力が半減します。しかも、ランニングコストという“継続ダメージ”も受け続けることになります。
■ランニングコストの罠
車を持つと、以下のような出費が発生します。
- 車検費用:2年ごとに約10万円(=月5,000円積立)
- 整備・タイヤ・オイル交換:月5,000円前後積立
- ガソリン代:月1万円程度(地域差あり)
つまり、毎月約2万円は確実に消えていきます。
仮に年24万円。これを3年続ければ72万円。
開業直後の経営者にとって、これは致命的な出費です。
ローンで買うとか、残クレで買うとかも絶対NG。評価が落ちている+高い利息が毎月ついてきます。
■「経費で落ちるから大丈夫」は勘違い
「車は経費になるからお得だ」と思っている人も多いですが、これもよくある誤解です。
確かに経費で落とせば税金は減ります。でも、そもそも利益が出ていなければ、減らす税金そのものが存在しないんです。
節税というのは“利益が出ている人のための仕組み”であって、まだ利益が安定していない1年目・2年目には、ほとんど効果がありません。
つまり、「税金が減るから買う」は完全に順序が逆なんです。
■しょちょーの実体験:18万円のシエンタ
僕自身が車を持ったのは、子どもが増えて家族の移動が必要になったタイミングです。
開業して数年が経ち、事業が安定してからでした。それまでは必要なときにレンタカーで移動をしています。
ヤフオクで探して、13年落ちのシエンタを18万円で購入。
見た目は年季が入っていましたが、動作は問題なし。車検も通るし、タイヤ交換とか、手続き・整備などしても合計30万円以内で乗り出せています。
「これで十分だなぁ」と思いました。
子育てのための家族用での購入で、消費と見る方もいるかと思いますが、個人的には「浪費」として買いました。
今回のテーマだと、「浪費が悪い」と聞こえてしまうかもしれませんが、そういうことではないのです。浪費は生活の彩りを増やしてくれるものなので、要はバランスです。
だけど、ほとんどの地域の方は開業初期に事業用で車はいらないよね?特に、新車である必要はまったくないよね?ということです。
僕のメイン移動手段は、ずっとバイクです。
■バイクは最強の相棒。しかも中古で十分!
バイクは本当にコスパがいいです。
中古で6〜7万円の原付やスクーターを買えば、整備費を含めても10万円以内で十分。
燃費は1リットルで大体30km以上は走り、1ヶ月間営業でずーっと走り回ってもガソリン代も月2,000〜3,000円程度。
税金は年間4,000円、オイル交換も1,500円で済みます。
それでいて、小回りが利くから移動時間が短縮でき、結果的に施術件数も増やせます。
ほとんどの地域においてはバイクが最適。タイムズに停める手間も、駐車場代も不要。
しかも「訪問しやすい」という印象はケアマネや利用者にも好印象。
バイクも車と同じで、中古で十分です。
見た目が少し古くても、走ればOK。エンジンが元気なら全く問題ありません。
むしろ安く買って大事に乗る方が、開業初期の事業スタイルに合っています。
■地方や雪国の場合
もちろん、地域によっては車が必要なケースもあります。
雪が多い・交通機関が少ない・訪問距離が長いなど、そうした環境であれば車を持つこと自体は悪い選択ではありません。必要と思います。
ただし、それでも中古の軽自動車で十分です。
利益が安定してから、新しい車を買い替えればいい。(それでも事業用なら新車の必要はないと思ってます。中古で良い。)
最初から高額な新車を買う理由は、どこにもありません。
■まとめ
開業準備金は「攻めるためのお金」ではなく、「守り抜くためのお金」です。
手元資金を減らさず、まずは事業を軌道に乗せることが最優先。車を買う前に一度立ち止まって「これは投資?消費?浪費?」と考えてください。
あなたの事業に本当に必要なのか、それとも自己満足なのかを冷静に見極めてください。
最初の1〜2年は、できる限り“守り”の経営でOKです。必要になればそのときに買えばいいし、それまではレンタカーでも十分対応できます。お金を残しておけば、必ず次のチャンスが来たときに動けます。
今日も一歩ずつ、前へ進みましょう!
皆さんの挑戦と活躍を心から願っています^_^




